コラム
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Column
企業から寄附を受ける際、寄附者側で全額を損金算入できるかは、学校法人の寄附募集に大きく影響します。令和8年度税制改正では、日本私立学校振興・共済事業団を通じる受配者指定寄付金(会計処理についてはこちらを参照)の手続が見直されました。ただし、学校法人への直接寄附が一律に全額損金算入できるようになったわけではありません。改正の中心は、一定の学校法人に対する書類省略と、寄附金の受入れ・配付手続の迅速化です。
受配者指定寄付金は、企業等が私学事業団を経由し、指定した学校法人へ寄附する制度です。寄附企業は支出額の全額を損金算入でき、確定申告では私学事業団発行の受領書が必要です。
令和8年4月以降、主に次の見直しが行われています。
・1,000万円以上の寄附で必要な確認書を、一定の学校法人は省略可能
・寄附金の振込みと配付申請を同時に行うことが可能
・振込み、配付、実績報告に関する様式を見直し
確認書の省略には、学内規程の整備・公表、私学事業団への提出、前年度と前々年度の受入実績がいずれも1,000万円以上であることなどが必要です。
最大の効果は、寄附金を教育研究事業へ充当するまでの事務負担と待ち時間を減らせる点です。例えば、企業から1,500万円の寄附を受けて実験設備を購入する場合、振込みと配付申請を同時に進められるため、資金計画を立てやすくなります。
一方、企業が学校法人へ直接送金すれば必ず全額損金になる、という改正ではありません。寄附案内には、私学事業団を経由すること、受領書の発行時期、対象事業、必要書類を明記しましょう。
令和8年度税制改正は、損金算入範囲を全面的に広げるものではなく、受配者指定寄付金を利用しやすくする手続改善です。学校法人は、学内規程、寄附案内、申込書、会計処理の流れを早めに点検する必要があります。制度要件の確認や規程整備は、学校法人会計と寄附税制に詳しい専門家へ相談すると安心です。