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労働組合で初めて会計監査を受ける際、「何をどこまで準備すればよいのか分からない」というご相談を多く受けます。通帳や領収書だけを用意すればよいと思われがちですが、監査では収支計算書の数字だけでなく、組合費の徴収、支出承認、積立金、支部会計との関係まで確認されます。労働組合法では、会計報告を職業的に資格がある会計監査人の証明書とともに、少なくとも毎年1回組合員に公表することが求められています。 初回監査を円滑に進めるには、資料を体系的にそろえることが重要です。
最初に確認されるのは、労働組合の組織や会計ルールを示す資料です。具体的には、次の資料を準備します。
・労働組合規約
・会計規程、旅費規程、慶弔規程など
・役員名簿、組織図
・総会、定期大会、執行委員会の議事録
・前年度の決算書、予算書
・当年度の収支計算書、貸借対照表、財産目録
特に初回監査では、規約上の承認機関と実際の支出承認が一致しているかを確認されます。例えば、一定額以上の支出は執行委員会承認が必要とされているのに、議事録が残っていないケースはよくあります。
次に、決算書の数字を裏付ける資料を準備します。監査は、計算書類の適否を対象とするものであり、収支計算書、貸借対照表、附属明細表などが主な対象になります。
・総勘定元帳
・現金出納帳、預金出納帳
・仕訳帳または会計ソフトの仕訳データ
・領収書、請求書、振込明細
・預金通帳、残高証明書
・未収金、未払金の明細
・固定資産台帳
領収書は月別、科目別に整理しておくと確認がスムーズです。電子データの場合も、ファイル名に日付・支払先・内容を入れておくと、監査対応の負担が大きく減ります。
労働組合では、一般企業と異なる資料も重要です。
・組合員数の推移表
・チェックオフによる組合費控除明細
・会社からの入金明細
・支部会計の収支報告書
・大会費、交渉費、争議対策費の内訳
・専従役員、書記への給与・手当資料
・旅費、日当、食事補助の支給明細
特にチェックオフは、会社からの入金額と組合員別の徴収額が一致しているかが重要です。退職者や休職者の控除停止が漏れていると、組合員への説明が必要になることもあります。
初回監査では、過年度からの繰越金や積立金の内訳が不明確なケースがあります。「前任者から引き継いだ金額だから分からない」ではなく、通帳、過年度決算書、総会資料をもとに可能な範囲で整理しておくことが大切です。
また、支部会計を本部決算に含めるのか、別会計として管理するのかも事前に確認が必要です。支部の通帳や現金残高を把握していない場合、労働組合全体の財産状況が正しく表示されないおそれがあります。
労働組合の初回会計監査では、決算書だけでなく、規約、議事録、帳簿、証憑、組合費明細、支部会計資料まで幅広く準備する必要があります。資料が整理されていれば、監査は単なるチェックではなく、会計管理を見直す良い機会になります。初めて監査を受ける労働組合は、早めに必要資料リストを作成し、不足資料を確認しておくことをおすすめします。労働組合会計に精通した公認会計士に相談することで、初回監査の不安を減らし、組合員に説明しやすい会計体制を整えることができます。