コラム
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Column
令和7年度から学校法人会計基準の改正により、引当金の考え方が整理され、賞与引当金も「要件を満たすなら計上する」方向が明確になりました。そのため、決算で人件費が急に増えたように見えたり、監査で「根拠資料はありますか」と確認が入ったりしやすくなります。ポイントは、給与規程と支給実態に沿って算定ルールを先に決め、事前にどのくらいの影響額になるのかを把握しておくことです。また、決算で大きく費用計上することに抵抗がある場合には、事前に試算した賞与引当金の金額を月次処理しておくことも有効です。
改正後は、退職給与引当金に限らず、
という要件を満たすものは引当金計上が適切と整理されています。賞与も、勤務の提供により当期に費用が発生しているなら、この枠組みで検討することになります。
会計処理としては「賞与引当金繰入額」という科目で処理し、教育活動収支の人件費区分に設ける運用が一般的です。期末仕訳は次の形で統一すると、翌期の戻入処理も迷いません。
(借方)賞与引当金繰入額/(貸方)賞与引当金(流動負債)
また、翌年度の支給時においては、
(借方)賞与(期末手当)/(貸方)普通預金・・・資金収支仕訳
(借方)賞与引当金/(貸方)賞与(期末手当)・・・事業活動収支仕訳(非資金仕訳)
という処理を行うことになります。
また参考までにはなりますが、文科省から通知された「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成等について(通知)」において賞与引当金計上初年度における令和7年度においては、
令和7年度の期首時点において、前事業年度末に計上すべきであった金額を
①(借方)賞与引当金特別繰入額(特別支出)/(貸方)賞与引当金(流動負債)
と処理を行い、
令和7年度の賞与支給時に
②(借方)賞与(期末手当)/(貸方)普通預金・・・資金収支仕訳
③(借方)賞与引当金/(貸方)賞与(期末手当)・・・事業活動収支仕訳(非資金仕訳)
という処理をすることも認められております。
当該処理をすることで、令和7年度の人件費が賞与引当金特別繰入額の分だけ例年より過大に計上される影響を除外することができます。(賞与の一部①が特別支出に計上されるため。)
まとめとして、賞与引当金は「計上するかどうか」より「どう見積り、どう説明できるか」が肝心です。