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少子化の影響で授業料収入が頭打ちになり、
「駐車場を貸したい」「公開講座を始めたい」など、収益事業を検討する学校法人が増えています。
一方で、
といった不安を抱えたまま、なんとなく処理しているケースも少なくありません。
本記事では、学校法人における収益事業の基本的な考え方と、実務上つまずきやすいポイントを整理します。「気づいたら過年度の法人税が未申告だった」という事態を防ぐための視点をお伝えします。
学校法人は、本来は教育を主たる目的とする非営利法人です。
ただし私立学校法第26条により、教育に支障のない範囲で、収益を目的とする事業を行うことが認められています。収益は学校の経営に充てる必要があり、収益事業会計として学校会計と区分して経理することが求められます。
さらにややこしいのが「法人税法上の収益事業」です。
法人税法では、施行令で定められた34業種のいずれかを、事業場を設けて継続して営んでいる場合、その部分にのみ法人税が課税されます。
ポイントは、
の範囲が必ずしも一致しないことです。
学校としては「収益事業のつもりはない」活動であっても、税務上は収益事業と判断されることがあります。
学校法人が行う典型的な「収益事業」の例は次のとおりです。
一方で、次のようなものは、条件を満たせば非収益事業として扱える場合があります。
同じ「販売」「貸付」「講座」であっても、
対価の水準や対象者、継続性などにより、収益事業かどうかの結論が変わる点に注意が必要です。
A学園は地域住民向けに夜間の英会話講座を開始しました。
授業料収入と同じ感覚で「教育活動収入」として学校会計に計上し、収益事業会計も法人税申告もしていませんでした。
しかし、
という状況から、税務調査では「技芸教授業」に該当する収益事業と判断され、過去数年分の法人税・加算税・延滞税の納付を求められる結果となりました。
このケースから、特に次の点をチェックすることが重要といえます。
感覚的な「学校サービスの延長」で判断せず、法人税法上の収益事業の基準に照らして検討することが求められます。
収益事業を行っている学校法人では、次のような実務対応が重要になります。
〇 区分経理の徹底
〇 共通経費の配賦
〇 法人税・地方税の申告
〇 赤字でも申告義務がある可能性
学校法人の収益事業は、
「学校の延長のつもり」で始めた小さな取り組みが、後から法人税法上の収益事業と指摘されるケースが少なくありません。
この3点を押さえておくと、実務上のトラブルをかなり減らせます。
「この事業は収益事業に当たるのか」「申告が必要か」「区分経理のやり方に不安がある」といった場合は、着手前・拡大前に専門家へ相談されることをおすすめします。
学校法人に特有の会計・税務の考え方を踏まえて整理することで、安心して教育活動に集中できる体制づくりをお手伝いできます。