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学校法人監査

2026.6.17

【学校法人会計】学校法人の予算策定|当初予算・補正予算の実務

学校法人の予算は、翌年度の教育活動を金額で示す重要な経営資料です。園児・生徒数、授業料、補助金、人件費、施設修繕費などを見込んで作成しますが、単に前年実績を横置きするだけでは、実態とずれた予算になりやすくなります。特に令和7年4月1日施行の改正私立学校法後は、予算及び事業計画の審議について、理事会①、評議員会、理事会②の順で進める実務が原則となります。年度開始前、つまり3月末までの理事会決議を見据えた準備が欠かせません。

■当初予算は事業計画と一体で作成

当初予算は、翌年度の教育方針や施設整備、人員配置を数字に落とし込むものです。主に次の資料を作成します。

・資金収支予算書
・事業活動収支予算書
・部門別の予算資料
・人件費、修繕費、設備投資の明細

幼稚園、認定こども園、専門学校など複数部門がある法人では、部門別に積み上げたうえで法人全体の予算に集約することが重要です。例えば、園バス更新やICT機器導入を予定している場合は、支払時期、補助金の有無、減価償却への影響まで確認しておくと、資金繰りの説明もしやすくなります。

■予算策定の標準スケジュール

実務上は、次の流れで進めると無理がありません。

・10月〜11月 各部門から要望、修繕計画、募集見込みを収集
・12月 人件費、学納金、補助金、委託費を試算
・1月 法人本部で予算案と事業計画案を作成
・2月 理事会①で評議員会招集と予算案を決定
・2月〜3月 評議員会で意見聴取
・3月末まで 理事会②で当初予算を決議

評議員会の招集通知は原則として開催日の1週間前までに行う必要があるため、3月下旬に慌てて日程を組むと手続が窮屈になります。

■補正予算は年度内の意思決定

補正予算は、当初予算と実績見込みに大きな差が出た場合に作成します。主な場面は次のとおりです。

・入園者、入学者数が見込みと大きく異なる
・教職員の採用、退職により人件費が変動する
・大規模修繕や設備投資を追加する
・補助金、寄附金、借入金の見込みが変わる

補正予算は決算に合わせるための後付け資料ではありません。支出や事業変更を行う前、遅くとも年度内に、当初予算と同じく理事会①、評議員会、理事会②の流れで承認することが望まれます。

■まとめ

学校法人の予算策定では、当初予算を3月末までに決議すること、事業計画と予算を整合させること、補正予算を年度内に適時処理することが重要です。改正私立学校法後は、理事会と評議員会の開催順序にも注意が必要です。予算作成を経理担当者だけに任せず、理事長、園長、校長、事務長が早めに情報を共有することで、実態に即した説明力のある予算になります。手続や資料作成に不安がある場合は、学校法人会計に詳しい専門家へ早めに相談することをおすすめします。

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