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「賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度」がスタートしていることをご存じでしょうか?賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度とは、将来の大規模修繕の計画に沿って修繕積立金として支出した共済掛金を全額経費として計上できる制度です。
賃貸住宅(アパート、マンション)は一般的に20~25年周期で外壁等の修繕が必要になりますが、その費用は数千万円規模になることも珍しくありません。(昨年度、弊事務所の顧問先にて足場を組む外壁の大規模修繕で約3,000万円かかっておりました。)
会計・税務的には、大規模修繕にかかる支出で下記に該当するようなものは資産の価値を高めるというよりも、現状の維持管理のためであるため修繕費として経費(損金)にて処理をすることが一般的です。(※支出の内容によって資本的支出にもなりますので、目安としてお考え下さい。)
不動産の収入は毎年ある程度一定になりますが、大規模修繕が発生する年度は大幅な赤字になってしまいます。将来の大規模修繕に備えて、生命保険や倒産防止共済を掛けることで毎年掛金を経費にしているというケースが多いかと思います。ただ、生命保険は税制改正により損金処理できる割合、解約返戻率に規制がされたため、将来の修繕の備えとしては十分に対応できないというケースもあります。倒産防止共済も800万円までしか積み立てることができないため、大規模修繕への備えとしては金額的に不足することがあります。
今回新しくスタートした「賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度」は、将来の大規模修繕に備えて、修繕積立金を共済の掛金として計上することで支出額全額が経費として認められるというものです。
将来の大規模修繕の計画の策定が必要、共済金の支払対象は「屋根(屋上)」と「外壁」のみという制限はありますが、上手に当該共済制度を活用することで毎年の利益を圧縮しながら(税金を抑えながら)将来の修繕積立金を準備することが可能となりますので、今後は当該共済制度も不動産オーナーにとっては、選択肢の一つとして検討することになります。
ただ、上述のとおり屋根、外壁の修繕のみにしか共済積立金は使用できないため、修繕の金額が大きく積立が必要となるエレベーターの改修や空調、ポンプの改修等の工事には使用することできません。
そのため、不動産オーナーは共済制度、生命保険、倒産防止共済をバランスよく積み立てることが毎年の利益を圧縮しながら将来の修繕への備えになるかと思います。(例えば、屋根、外壁の修繕は共済制度にて積立、それ以外の修繕は生命保険、倒産防止共済にて積立)
弊事務所は不動産投資、生命保険も専門としております。収益物件をお持ちの方、これから収益物件の投資を考えられている方、遊休の土地をお持ちの方、売却を考えられる方等さまざまなケースに対応することができますので、不動産に関してお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。