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社会福祉法人監査

2026.10.1

【社会福祉法人会計】就労継続支援B型の会計処理|工賃と積立金

就労継続支援B型を運営する社会福祉法人では、商品の販売収入、受託作業収入、障害福祉サービスの給付費、利用者への工賃が混在しやすく、会計処理が複雑になりがちです。特に、就労支援事業収益と訓練等給付費を同じ収入として処理していると、工賃の原資が分かりにくくなり、行政指導や監査で説明に困ることがあります。B型会計では、生産活動の損益を見える化し、工賃・積立金・資金管理を一体で整理することが重要です。

■就労支援事業収益と給付費は分けて処理

B型事業の収入は、大きく次の2つに分けて考えます。

・就労支援事業収益
自主製品の販売、清掃作業、内職、受託加工など、生産活動から得た収入です。

・障害福祉サービス等事業収益
訓練等給付費など、福祉サービスの提供に対して受け取る収入です。

例えば、焼き菓子を販売した売上は就労支援事業収益、利用者支援に係る給付費は障害福祉サービス等事業収益として処理します。この区分が曖昧になると、工賃計算の基礎となる生産活動の採算が把握できません。

■工賃は生産活動の損益から確認

利用者に支払う工賃は、職員給与とは性質が異なります。B型では、生産活動に係る収入から、生産活動に必要な経費を控除した額を基礎として工賃を支払う考え方になります。

実務では、次の費用を整理しておくことが大切です。

・材料費、仕入高
・外注加工費
・販売に係る送料、手数料
・生産活動に使用する備品、消耗品
・作業に直接関係する車両費や水道光熱費

注意したいのは、福祉サービスの運営費と生産活動の経費を混同しないことです。例えば、同じ車両を利用者送迎と商品の納品に使っている場合、走行距離や使用日数など合理的な基準で按分しておくと、説明しやすくなります。

■積立金は余った資金の置き場ではありません

B型の生産活動では、原則として余剰金を発生させず、利用者工賃として還元する考え方が基本です。ただし、安定的な工賃支給や設備更新に備えるため、一定の要件を満たす場合には積立金を計上できます。

代表的なものは次の2つです。

・工賃変動積立金
将来、工賃水準が下がった場合に補填するための積立金です。

・設備等整備積立金
生産活動に必要な機械、備品、設備の更新や新規導入に備える積立金です。

積立金を計上する場合は、理事会等の承認、目的の明確化、同額の積立資産の計上が必要です。単に現預金が残ったから積み立てるという処理は適切ではありません。

■決算前に確認すべきポイント

決算前には、次の点を確認しておくと安心です。

・就労支援事業収益と給付費が区分されているか
・作業種別ごとの収支が把握できるか
・工賃の計算根拠が説明できるか
・棚卸資産がある場合、期末在庫を計上しているか
・積立金の目的、限度額、理事会決議が整理されているか

就労継続支援B型の会計は、単に仕訳を入力すればよいものではありません。生産活動の採算、利用者工賃、積立金の使途をつなげて管理することが求められます。会計処理に不安がある場合は、社会福祉法人会計と就労支援事業会計の双方に詳しい専門家へ早めに相談することで、行政対応や監査対応の負担を大きく減らせます。

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