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労働組合では、専従役員や書記に給与を支給するほか、執行委員会、交渉、研修、出張に伴い日当・旅費・食事補助を支給する場面があります。しかし、名称を日当、謝礼、活動費としていても、実態によっては給与として源泉徴収が必要になります。処理を誤ると、本人の申告漏れだけでなく、組合側の源泉徴収漏れにもつながります。税務上は支給名目ではなく、何の対価として支払っているかを整理することが重要です。
専従役員や書記に毎月定額で支給する報酬・給与は、原則として給与所得として取り扱います。労働組合であっても、給与を支払う側として源泉徴収、年末調整、給与支払報告書の提出が必要になります。
実務上は、次の点を確認します。
・雇用契約、任用決議、支給規程があるか
・扶養控除等申告書を提出しているか
・甲欄、乙欄のどちらで源泉徴収するか
・社会保険、労働保険の対象になるか
会社から給与を受けながら組合からも手当を受ける非専従役員の場合、組合からの支給は乙欄給与となるケースが多いため、個別確認が欠かせません。
日当で最も間違いやすいのは、出張に伴う日当と、会議・休日活動の対価としての日当を同じように処理してしまうことです。
出張旅費規程に基づき、交通費・宿泊費とは別に通常必要な範囲で支給する出張日当は、非課税として処理できる余地があります。一方、執行委員会への参加、休日の組合行事、団体交渉への出席などの労務提供に対する日当は、実態として給与課税される可能性が高くなります。
たとえば、1日5,000円、半日2,500円を会議参加の都度支給している場合、旅費の補てんではなく活動手当と見られやすいため注意が必要です。
交通費、宿泊費、出張日当を非課税で整理するには、組合活動に必要な出張であることを証明できる資料が必要です。
・出張命令書または出張申請
・目的、行先、日程、参加者
・領収書、乗車記録、宿泊明細
・旅費規程に基づく計算表
特に労働組合では、全国大会、上部団体の会議、交渉支援など移動を伴う活動が多くあります。実費精算と定額日当を混在させる場合は、二重支給になっていないかを確認しましょう。
書記や専従役員への昼食補助、会議時の弁当代、残業時の食事代も税務上の確認が必要です。食事を現物で支給し、本人が一定額を負担している場合は非課税となる場合がありますが、現金で食事代を渡すと、原則として給与課税されます。
また、執行部だけを対象に継続的に食事補助を行うと、福利厚生ではなく給与と判断されるおそれがあります。会議に必要な弁当なのか、個人の食費補助なのかを領収書と議事録で説明できるようにしておくことが大切です。
労働組合の支給は、組合活動の実情に合わせた判断が必要です。給与、出張日当、活動手当、旅費、食事補助を明確に区分し、規程と証憑を整備しておけば、税務調査や監査でも説明しやすくなります。専従役員・書記への支給が増えてきた組合は、早めに会計処理と源泉徴収の運用を見直すことをおすすめします。労働組合会計に詳しい専門家へ相談することで、実務に合った安全なルールづくりが可能になります。