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労働組合監査

2026.4.3

【労働組合会計】物価高で日当や手当を上げる際の注意点

税金

物価高騰が続く中、労働組合の中央執行委員長や書記の方から、中央執行委員の日当や手当を引き上げたいというご相談を多くいただくようになりました。しかし、安易に支給額を上げると、思わぬ税務上のペナルティを受ける可能性があることをご存じでしょうか。

本記事では、手当を引き上げる際のリスクと、正しい会計や税務処理のポイントを専門家の視点から分かりやすくお伝えします。正しい手続きを知ることで、組合員に不信感を与えず、安心して組合運営に専念できるようになります。まずは結論からお伝えすると、日当や手当の引き上げには、実費弁償か給与かの見極めと規程の改定が不可欠です。

■ 物価高騰による手当引き上げのリスク

物価上昇に伴い、交通費や宿泊費、日当などの見直しを検討する労働組合が増えています。ここで注意したいのが、支給する手当が税務署から給与とみなされてしまうリスクです。 給与と判定された場合、源泉徴収(支給額からあらかじめ税金を差し引くこと)を行わなければなりません。もし源泉徴収をせずに全額を支給してしまうと、後から税務調査で指摘され、延滞税などのペナルティを課される恐れがあります。

■ 実費弁償と給与の見極めポイント

手当を支給する際、それが実費の精算であれば非課税として扱われます。例えば、実際に発生した交通費や宿泊費の領収書と引き換えに同額を支給する場合です。 一方で、以下のようなケースは給与として扱われる可能性が高くなります。

・実際の出費に関わらず、一律で定額を支給している

・実費を大きく超えるような高額な日当を設定している

物価高を理由に一律で手当を増額する場合、実態と離れていないか慎重に確認する必要があります。実務的な注意点として、お車代といった名称に関わらず、実費精算でないものは報酬とみなされるため注意が必要です。

■ 規約・規程の改定と決議の手続

日当や手当の金額を変更する場合、会計処理だけでなく組合内のルール変更も忘れてはいけません。

・旅費規程や役員報酬規程の改定案を作成する

・執行委員会などで変更の妥当性を協議する

・定期大会などの議決機関で承認を得る

労働組合の会計監査において、規程に基づかない手当の支給は厳しくチェックされます。事後報告ではなく、必ず事前に正式な手続きを踏んでください。

物価高騰に対応するための手当引き上げは、組合活動を支える上で大切な取り組みです。しかし、税務上のリスクを避け、透明性の高い会計を維持するためには、実費と給与の区分を明確にし、規程に沿った運用を徹底することが求められます。 労働組合の会計や税務は特殊なルールが多く、判断に迷うことも少なくありません。当事務所では、労働組合特有の会計監査や税務に関するご相談を多数承っております。規程の改定や手当の支給方法に不安がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。専門家がしっかりとサポートいたします。

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