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労働組合監査

2025.11.20

【労働組合会計:第3回】予算・内部統制と収入管理|“お金の入口”を整えると監査は楽になります

労働組合の会計でつまずきやすいのは、実は支出よりも収入(お金の入口)です。
組合費・事業収入・寄附金・補助金など、入口の整理が曖昧だと、決算も監査も一気に難しくなってしまいます。


1. 予算と決裁ルールは“会計の背骨”

まずは、このあたりが整っているかを確認します。

  • ・年度予算を大会等で承認している
  • ・執行ルール(科目、上限、決裁者)が決まっている
  • ・予算外支出・流用の承認手続がある
  • ・決裁記録(稟議、伺い、議事録)が残っている

予算があっても、決裁ルールがないと“担当者の感覚”に頼ることになり、
結果としてトラブルや不信感の原因になりがちです。


2. 組合費の管理は、いちばん大事な土台

組合費は、組合の活動を支える中心財源です。
ここが整理されていると、決算の信頼度がぐっと上がります。

  • ・組合費の算定基準が明確
  • ・徴収方法が統一されている
  • ・未収管理(退会・異動・休職の整理)ができている
  • ・本部/支部の配分ルールがある

「毎年なんとなく上手くいっている」ようで、実は担当者の頑張りに依存していることも多いので、ルール化しておくと安心です。


3. 事業収入があるなら“区分経理”を

共済、研修、物販、委託などの事業収入がある場合は、
事業ごとに収入・支出を区分して管理できているかがポイントになります。

区分が曖昧だと、収益事業(税務)に該当するかどうかの判断も難しくなります。


4. 寄附金・補助金は“見える化”が命

寄附金や補助金は支援としてありがたい一方、
「誰から、何の目的で、どう使ったか」を説明できる状態が大切です。

  • ・寄附の受入れ方針・記録
  • ・主要寄附者の把握と必要な開示
  • ・使用者からの経理援助と誤解されない整理
  • ・補助金の使途制限の順守

この整理ができている組合は、監査もスムーズです。


【まとめ】

第3回は、収入と予算・決裁ルールの整備が、監査を楽にし、組合の信頼を高めることをお伝えしました。
次回は、支出管理・資産管理(現金・預金・積立金など)の急所に進みます。


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次回予告:第4回「支出管理と資産管理|旅費・交際費・積立金・現金管理の急所」

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