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労働組合監査

2025.11.18

【労働組合会計:第2回】労働組合会計の基準と計算書類|“分かりやすい決算”がいちばん大切

労働組合の決算は、会社のように「利益をいくら出したか」を見るものではありません。
組合のお金が、どこから入ってどこに使われ、今どう残っているかを、組合員にきちんと伝えるための決算です。

1. まず、採用している会計基準をはっきりさせましょう

労働組合会計の基本として、「労働組合会計基準(公益法人委員会報告第5号)」があります。

実務指針では、たとえこの基準以外を採用していても、一般に公正妥当と認められる労働組合会計の基準に準拠していれば監査対象になり得ると整理されています。

大切なのは、

  • ・どの基準/考え方で作っているかを明確にする
  • ・毎年継続して同じ考え方で作る

  • この2点です。

2. 労働組合の計算書類(決算書類)の基本セット

一般的に、次の書類を整備します。

(1) 収支計算書

全ての財源と使途を、年度ごとに分かりやすく示す主役の書類です。
組合費、事業収入、寄附金、補助金、活動支出などを科目別に整理します。

(2) 貸借対照表(B/S)

現在の経理状況=お金や財産の残り方を示す書類です。
現金・預金、積立金、未払金などを整理し、組合の財産状況を示します。

(3) 附属明細表・注記

収支計算書やB/Sだけでは伝わらない情報を補います。
主要な寄附者の情報、積立金の目的・残高、特別会計の内訳、支部との内部取引など、透明性を高める役割があります。


3. 予算対比(予算と実績の比較)がとても大事

労働組合では、年度初めに予算を承認して活動するのが普通です。
そのため決算では、
予算額/実績額/差異の理由を並べて示す“予算対比”が重要になります。

監査でも「予算の範囲内で適切に執行されたか」「流用や予算外支出の承認があるか」が確認ポイントになります。


4. 本部・支部・特別会計がある場合は“区分の整理”がカギ

労働組合では、本部と支部があったり、争議資金や共済など特別会計があったりします。
この場合、

  • ・本部/支部の区分経理
  • ・内部取引の相殺整理
  • ・特別会計の目的と残高の明示

を丁寧に整理するほど、決算の信頼性が高まります。


【まとめ】

第2回では、会計基準と計算書類の基本、そして予算対比や区分整理の大切さをお伝えしました。
次回は、予算・決裁・内部統制と収入管理に進みます。


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「決算書は作っているけど、この形で監査に出せるのかな?」
「予算対比や特別会計の整理、これで合っている?」
そんな不安はとても自然なものです。

当事務所では、現在の決算書と帳簿を拝見して、
“監査に向けてどこを整えればいいか”を一緒に整理する初回無料のご相談を行っています。
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次回予告:第3回「予算・内部統制と収入管理|組合費・寄附・事業収入の管理ルール」

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