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「社会福祉法人は税金がかからないから、税務申告は必要ない」
そのように思い込んでいませんか? 実は、社会福祉法人であっても「収益事業」に該当する活動を行う場合は、法人税の申告・納税義務が発生します。この判断を誤ると、後から税務調査で無申告を指摘され、多額のペナルティを課されるリスクもゼロではありません。
この記事では、会計に詳しくない理事長や経理担当者の方に向けて、社会福祉法人における収益事業の定義や、実務で間違いやすい具体的なポイントを分かりやすく解説します。 正しい知識を身につけ、法人の信頼を守るための健全な会計処理を目指しましょう。
そもそも社会福祉法人は、本来の目的である「社会福祉事業(特養ホームの運営や保育所の経営など)」については法人税が非課税です。しかし、それ以外の事業で利益が出た場合、税の公平性の観点から課税対象となることがあります。
具体的には、以下の3つの要件をすべて満たすものが「収益事業」とみなされます。
つまり、「福祉のための資金稼ぎだから非課税」という理屈は通用しません。事業の実態が上記の要件に当てはまれば、課税対象として処理する必要があります。
「うちは介護事業しかしていないから関係ない」と思っていても、意外なところで収益事業を行っているケースがあります。実務の現場でよく見受けられるのが、以下のパターンです。
これらは金額が小さくても立派な収益事業です。「少額だから大丈夫だろう」という判断は禁物ですので、一度法人の活動を棚卸ししてみることをお勧めします。
収益事業を行う場合、もっとも実務で頭を悩ませるのが会計上の「区分経理」です。 社会福祉法人の会計基準では、収益事業にかかる収益と費用を、本来の事業とは明確に分けて管理しなければなりません。
特に注意が必要なのが、「共通経費」の按分(あんぶん)計算です。
例えば、法人の本部建物の一角で収益事業を行っている場合、建物の減価償却費や電気代、あるいは事務職員の人件費などは、どちらの事業にも関わっています。これを「なんとなく半分ずつ」といった曖昧な基準で分けることは認められません。
上記のような合理的かつ説明可能な基準を設け、厳密に計算する必要があります。この根拠資料が不足していると、会計監査や税務調査で真っ先に指摘されるポイントとなります。
社会福祉法人の収益事業は、判定や経理処理が非常に複雑です。
これらを適切に行うには、専門的な会計知識と税務判断が欠かせません。もし、「今の処理で合っているか不安だ」「過去の申告漏れがないか確認したい」とお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。
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