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学校法人監査

2026.7.17

【学校法人会計】学校法人の予算策定手順|実務で迷わない進め方

学校法人の予算は、翌年度の教育活動を支える設計図です。授業料、補助金、人件費、修繕費、設備投資を見込むだけでなく、事業計画と整合しているかを理事会・評議員会で確認する役割があります。私立学校法では、学校法人は毎会計年度、予算及び事業計画を作成することとされています。さらに、予算や事業計画を決定する際は、あらかじめ評議員会の意見を聴く流れになります。今回は前回の予算策定の概要に引き続き具体的な策定手順の紹介となります。

■手順1 前年度実績と当年度見込みを整理

最初に行うべきことは、前年予算をそのまま使うことではありません。まず、次の資料を確認します。

・前年度決算
・当年度の月次試算表
・園児、生徒、学生数の推移
・教職員数、人件費の増減
・修繕、備品購入、借入返済の予定

特に人件費は、昇給、賞与、退職予定、採用予定を分けて積み上げます。幼稚園や認定こども園では、園児数の見込みが学納金や補助金に直結するため、募集状況を現場と共有することが重要です。

■手順2 部門別に予算を積み上げ

複数の学校や部門がある法人では、法人全体で一括作成せず、部門別に作成します。

・幼稚園部門
・専門学校部門
・法人本部
・収益事業部門

部門別に作ることで、赤字の原因や資金不足の時期が見えやすくなります。例えば、園舎修繕を予定している場合は、修繕費で処理するのか、固定資産に計上するのかで予算科目が変わります。見積書を確認せず概算で計上すると、決算時に予算とのズレが大きくなるため注意が必要です。

■手順3 資金収支と事業活動収支を確認

学校法人では、資金の動きを見る資金収支予算と、教育活動の収支状況を見る事業活動収支予算の両面から確認します。資金収支だけを見ると、借入金や施設整備支出の影響は分かりますが、減価償却費などの損益感覚が抜けやすくなります。一方、事業活動収支だけでは、年度末の資金残高を把握しにくくなります。両方を並べて確認することが実務上のポイントです。

■手順4 理事会・評議員会の日程から逆算

標準的なスケジュールは次のとおりです。

・10月〜11月 現場ヒアリング、募集見込みの確認
・12月 人件費、補助金、修繕費を試算
・1月 予算案と事業計画案を作成
・2月 理事会で評議員会招集と議案を決定
・2月〜3月 評議員会で意見聴取
・3月末まで 理事会で当初予算を決議

評議員会を招集する場合は、理事会で日時、場所、議案などを定める必要があり、開催通知から一定期間を空ける実務になります。3月末直前にまとめて進めると、手続に無理が出やすくなります。

■まとめ

学校法人の予算策定は、実績確認、部門別積上げ、資金収支と事業活動収支の確認、評議員会・理事会手続の順に進めると整理しやすくなります。特に、園児・生徒数、人件費、修繕費、設備投資は早めに現場から情報を集めることが大切です。予算は作って終わりではなく、年度中の補正予算や資金繰り管理にもつながります。学校法人会計に詳しい専門家と早期に確認することで、理事会で説明しやすい予算資料を作成できます。

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