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社会福祉法人監査

2026.2.5

【社会福祉法人会計】収益事業とは?判断基準と会計・税務の注意点を解説

税金

「社会福祉法人は税金がかからないから、税務申告は必要ない」

そのように思い込んでいませんか? 実は、社会福祉法人であっても「収益事業」に該当する活動を行う場合は、法人税の申告・納税義務が発生します。この判断を誤ると、後から税務調査で無申告を指摘され、多額のペナルティを課されるリスクもゼロではありません。

この記事では、会計に詳しくない理事長や経理担当者の方に向けて、社会福祉法人における収益事業の定義や、実務で間違いやすい具体的なポイントを分かりやすく解説します。 正しい知識を身につけ、法人の信頼を守るための健全な会計処理を目指しましょう。

■ 社会福祉法人における「収益事業」の定義とは

そもそも社会福祉法人は、本来の目的である「社会福祉事業(特養ホームの運営や保育所の経営など)」については法人税が非課税です。しかし、それ以外の事業で利益が出た場合、税の公平性の観点から課税対象となることがあります。

具体的には、以下の3つの要件をすべて満たすものが「収益事業」とみなされます。

  • 法人税法で定められた34業種に該当すること(物品販売業、不動産貸付業、請負業など)
  • 事業場を設けて行われていること(店舗や事務所など、活動の拠点がある)
  • 継続して行われていること(単発のバザーなどは除く)

つまり、「福祉のための資金稼ぎだから非課税」という理屈は通用しません。事業の実態が上記の要件に当てはまれば、課税対象として処理する必要があります。

■ 実務の盲点:自動販売機や駐車場も対象になる?

「うちは介護事業しかしていないから関係ない」と思っていても、意外なところで収益事業を行っているケースがあります。実務の現場でよく見受けられるのが、以下のパターンです。

  • ・ 自動販売機の設置手数料 施設内にベンダー(業者)の自動販売機を設置し、販売数に応じた手数料を受け取っている場合、これは場所貸しや仲介とみなされ、収益事業に含まれる可能性があります。
  • ・ 駐車場の貸付 職員や来客用ではなく、近隣住民や一般向けに有料で駐車場を貸し出している場合は「不動産貸付業」となります。
  • ・ 物品の販売 施設利用者が作った製品の販売は非課税になることが多いですが、外部から仕入れた商品を利益を乗せて販売する場合(売店など)は「物品販売業」に該当します。

これらは金額が小さくても立派な収益事業です。「少額だから大丈夫だろう」という判断は禁物ですので、一度法人の活動を棚卸ししてみることをお勧めします。

■ 経理担当者の悩みどころ!「区分経理」と共通経費

収益事業を行う場合、もっとも実務で頭を悩ませるのが会計上の「区分経理」です。 社会福祉法人の会計基準では、収益事業にかかる収益と費用を、本来の事業とは明確に分けて管理しなければなりません。

特に注意が必要なのが、「共通経費」の按分(あんぶん)計算です。

例えば、法人の本部建物の一角で収益事業を行っている場合、建物の減価償却費や電気代、あるいは事務職員の人件費などは、どちらの事業にも関わっています。これを「なんとなく半分ずつ」といった曖昧な基準で分けることは認められません。

  • ・ 使用している床面積の比率
  • ・ 従事した時間の割合
  • ・ 人員数の比率

上記のような合理的かつ説明可能な基準を設け、厳密に計算する必要があります。この根拠資料が不足していると、会計監査や税務調査で真っ先に指摘されるポイントとなります。

■ まとめ

社会福祉法人の収益事業は、判定や経理処理が非常に複雑です。

  • ・ 本来事業以外でお金が入ってくる活動は要注意
  • ・ 自動販売機や駐車場貸付も収益事業になり得る
  • ・ 収益事業と本来事業の経費を明確に分ける(共通経費の按分)

これらを適切に行うには、専門的な会計知識と税務判断が欠かせません。もし、「今の処理で合っているか不安だ」「過去の申告漏れがないか確認したい」とお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。

社会福祉法人や学校法人、労働組合等の非営利法人に特化した当事務所が、皆様の実情に合わせた最適なサポートをご提案いたします。まずは現状のチェックから始めてみませんか?

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