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労働組合監査

2025.11.21

【労働組合会計:第4回】支出管理と資産管理|ルールがあるだけで、トラブルはぐっと減ります

監査で指摘が出やすいのは、支出のルールと現金・預金管理の弱さです。
逆に言えば、ここを整えるだけで、組合運営の安心感が大きく変わります。


1. 支出の基本は「証憑+決裁+帳簿」

チェックの基本はとてもシンプルです。

  • ・領収書・請求書などの証憑
  • ・支出の承認(稟議・伺い・議事録)
  • ・帳簿への記録

この3点セットで裏付けられるようにしておくと、監査対応も日々の運営もスムーズになります。


2. 旅費・交際費・会議費は規程があると安心

労働組合では、役員や担当者が現場に出る機会が多いので、
旅費や会議費がどうしても増えやすくなります。

  • ・旅費規程(日当・宿泊・交通の基準)
  • ・交際費の支出基準
  • ・会議費・物品購入の上限
  • ・立替精算の期限や証憑要件

このあたりを整えておくと、「誰が見ても納得できる支出」になります。


3. 特別な支出ほど“目的と承認”をしっかり

争議資金、政治活動、福利厚生、共済、イベント費…
労働組合ならではの支出は、目的と承認がとても大切です。

  • ・何の目的で
  • ・誰が承認し
  • ・どこに記録されているか

を説明できる状態を作っておくと、組合員にも監査人にも安心してもらえます。


4. 現金・預金は“牽制が効く仕組み”がポイント

現金・預金管理のチェックポイントは次の通りです。

  • ・現金出納帳がある
  • ・定期的に実査と照合をしている
  • ・通帳・印鑑・ネットバンキング権限の管理者が明確
  • ・口座が一元管理できている

特に大事なのは、
“一人で完結できない”仕組み(牽制)があるかどうかです。
体制が整うだけで、不正や疑念が起きにくくなります。


5. 積立金・固定資産は“台帳と目的の見える化”

  • ・積立金の目的・増減・残高が明確
  • ・取崩の決裁が残っている
  • ・固定資産台帳が整備されている
  • ・未払金・預り金など期末整理ができている

ここが整理されると、B/Sが一気に読みやすくなり、監査でも指摘が減りやすくなります。


【まとめ】

第4回は、支出と資産管理の急所を整理しました。
次回はいよいよ最終回、税務の論点と監査を“毎年回る仕組み”にする方法をまとめます。


◆ 初回無料のご相談

「旅費や交際費のルール、うちも作った方がいいかな」
「現金管理が担当者任せかもしれない…」
そんな気づきがあれば、早めに整えるほど効果が大きいところです。

当事務所では、支出規程や現金・預金管理の状態を確認し、
“無理のない範囲で、まず何を整えればいいか”を一緒に考える初回無料相談を行っています。
どうぞ気軽にご連絡ください。

次回予告:第5回「税務・監査受入れ・総まとめ|外部監査を“毎年回る仕組み”へ」

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