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労働組合監査

2026.9.16

【労働組合会計】労働組合会計の固定資産等見返正味財産とは

労働組合会計で固定資産を購入したとき、収支計算書には固定資産取得支出として資金の支出が表示されます。一方で、貸借対照表にもパソコン、什器備品、車両、有価証券などの固定資産を表示する必要があります。この収支計算と貸借対照表をつなぐために使われるのが固定資産等見返正味財産です。企業会計にはあまり出てこないため分かりにくい科目ですが、労働組合の財産状況を正しく示すうえで重要な勘定科目です。

■固定資産等見返正味財産の考え方

固定資産等見返正味財産は、固定資産の取得額に対応して正味財産の部に表示される科目です。簡単にいえば、資金を使って購入した固定資産が、組合の財産としてどれだけ残っているかを示すための相手勘定です。

たとえば20万円のパソコンを購入した場合、現金預金は減りますが、パソコンという財産は残ります。収支計算書だけを見ると支出で終わってしまいますが、貸借対照表では固定資産として管理する必要があります。そのため、資産側に備品20万円、正味財産側に固定資産等見返正味財産20万円を計上します。

■基本的な会計処理

実務上の処理は、次のように考えると整理しやすくなります。

・購入時
借方:固定資産取得支出 20万円
貸方:現金預金 20万円

あわせて、貸借対照表上は次の処理を行います。

借方:器具備品 20万円
貸方:固定資産等見返正味財産 20万円

会計ソフトによっては、固定資産取得支出を入力すると、固定資産等見返正味財産が自動計上される場合もあります。ただし、自動処理に頼りすぎると、固定資産台帳との不一致が起きやすいため注意が必要です。

■減価償却を行う場合の処理

労働組合会計では、有形固定資産について減価償却を実施した場合には、その減価償却に合わせて固定資産等見返正味財産も減額します。減価償却は現金支出を伴わない費用ですので、収支計算書には通常表示されません。貸借対照表上で固定資産の帳簿価額を減らし、それに対応して固定資産等見返正味財産を取り崩すイメージです。

実務例として、20万円の備品について当年度に5万円の減価償却を行う場合は、備品の帳簿価額を15万円に減らし、固定資産等見返正味財産も15万円になるよう整理します。ここで固定資産台帳だけを更新し、会計帳簿の見返正味財産を修正し忘れるケースがよくあります。

■実務で確認すべきポイント

決算時には、次の3点を必ず確認してください。

・固定資産台帳の帳簿価額と貸借対照表の固定資産残高が一致しているか
・固定資産等見返正味財産の残高が固定資産等に対応しているか
・除却、売却、減価償却の処理漏れがないか

特に古いパソコンや事務所備品は、現物が廃棄されているのに台帳に残っていることがあります。この場合、固定資産だけでなく固定資産等見返正味財産の整理も必要です。

■まとめ

固定資産等見返正味財産は、労働組合会計に特有の分かりにくい科目ですが、役割は明確です。固定資産の取得、減価償却、除却を通じて、組合の財産状況を貸借対照表に正しく表示するための科目です。決算時には、収支計算書の固定資産取得支出だけでなく、固定資産台帳、貸借対照表、固定資産等見返正味財産の整合性まで確認することが大切です。労働組合会計に詳しい専門家が確認することで、決算書の信頼性は大きく高まります。

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